チームライセンス管理のためにRLMを使用する
ここからは、RLMの役割、ご利用環境でのインストールとセットアップ方法、Eggplant FunctionalライセンスをRLMに組み込む方法についてご説明します。
RLMについて
RLMは、環境内でサーバとして実行されるものです。 Eggplant Functionalライセンスは、Eggplant Functionalの実行マシンではなく、ライセンスサーバにインストールされます。 そのため、Eggplant Functionalを実行するマシンは、ネットワークを介してRLMサーバマシンにアクセスできなければなりません。
Eggplant Functionalは、毎回の立ち上げ時にライセンスサーバにコンタクトを取り、実行に必要な有効なライセンスをリクエストします。 ライセンスサーバは、常時稼働できるようにしておくか、または少なくともユーザがEggplant Functionalライセンスへのアクセスを必要とするときには必ず利用できるようにしてください。
それぞれのチームライセンスにはユーザ数の指定があり、 Eggplant Functionalを立ち上げるたびに、アプリケーションはRLMにライセンスをリクエストします。 サーバは、使用中でない利用可能なライセンスがあれば、当該インスタンス用のライセンスをチェックアウトし、そのコンピュータがEggplant Functionalを実行できるようにします。
例えば、チームが購入しているEggplant Functionalチームライセンスに3名のユーザが設定されている場合、同時に3台のコンピュータでEggplant Functionalを使用することができます。 3つのライセンスすべてが使用されている状態で4番目のEggplant Functionalインスタンスを立ち上げると、利用可能なライセンスがない旨のメッセージが表示され、ライセンスに空きが出るまでアプリケーションは実行できません。 なお、このシステムでは、Eggplant Functionalライセンスを使用する3台のマシンは、毎回違うマシンでも構いません。
環境内のライセンス管理のほとんどは、ウェブインタフェースを通じて行うことができます。 デフォルトでは、RLMサーバが稼働しているローカルマシン上でウェブサーバが実行され、以下のポート5054を介して管理サイトにアクセスできるようになっています。
http://<サーバマシンのIPアドレス>:5054
Reprise Softwareでは、包括的なRLM License Administration Manual(RLMライセンス管理マニュアル)を整備しています。ライセンスサーバのフェイルオーバーの使用、サーバ間のライセンス転送、その他の機能に関する情報は、そちらでご確認いただけます。 次のセクションでは、Eggplant Functionalと併せてRLMを使用するための基本的なセットアップ手順とライセンシング手順について説明します。
RLMシステム要件
- オペレーティングシステム:Windows 10、Windows 8、Windows 7、Windows Vista、Windows XP、Windows Server 2016、Windows Server 2012、Windows Server 2008、Windows Server 2003(64ビットまたは32ビット)、macOS、Mac OS X(あらゆるバージョン、64ビットまたは32ビット) また、RLMはLinuxまたはUnixシステムにもインストールすることができます。詳細については、Reprise Softwareのウェブサイトをご覧ください。
- プロセッサおよびRAM:RLMは、CPUまたはRAMに最低スペックを設けていません。実質的にはどのマシンでも機能しますが、高い信頼性で常時アクセスできるサーバであることが条件となります。
注:インストールされるライセンスが数百にのぼるような大規模環境でRLMを実行する場合は、CPUおよびRAMのスペックが高いマシンを使うことでRLMの動作が向上する場合があります。 より詳しい案内については、Reprise Softwareにお問い合わせください。
ライセンスサーバをセットアップする
以下にご紹介するのは、RLMの全体的なセットアップ手順についての動画です。
Eggplant Functionalのライセンス管理のため、下記の手順に従って、環境内でRLMライセンスサーバを実行してください。 重要なのは、RLMを実行するマシンが、チームライセンスでEggplant Functionalを実行する環境内のあらゆるマシンからアクセスできることです。 さらに、サーバは常時稼働できるようにしてください。
- Eggplant FunctionalダウンロードページからEggplant RLMライセンスサーバをダウンロードします。 用意されているのは、Windows、MacおよびLinux用のRLMサーバを含んだ1つのダウンロードです。 ダウンロードしたフォルダの中に、各プラットフォーム用のフォルダが入っています。
- RLM_Server_Linux
- RLM_Server_Mac
- RLM_Server_Windows
各プラットフォーム用のフォルダには、RLM実行ファイル(Mac/Linux用はrlm、Windows用はrlm.exe)と、Eggplant Functional用のRLMの実行に必要な情報を提供するtestplant.setという名前のファイルが入っています。 通常、testplant.setファイルには何の作業も必要ありません。ただし、他のサードパーティ製品と一緒にRLMを実行する場合については、後述の複数製品用のRLMを実行するをご覧ください。
- 該当するプラットフォーム用のフォルダを、サーバ実行用マシンの適当な場所(MacのアプリケーションフォルダやWindowsのProgram Filesフォルダ)にコピーします。注:このフォルダを置いた場所を忘れないようにすることが重要です。新しいチームライセンスファイルは、ライセンスサーバがこれを読み込めるよう、このフォルダにコピーする必要があります。
- ライセンスファイル(.licファイル)をRLM_Serverフォルダにコピーします。 まだライセンスを生成していない場合は、Greenhouse(Eggplantのウェブベースのライセンス管理ポータル)での生成手順を、Eggplant Functionalのチームライセンスを生成するにてご確認ください。注:ライセンスファイルを追加せずにサーバを起動し、お好きなときに別途ライセンスファイルを追加することもできます。 サーバを実行している状態でライセンスファイルを追加する場合は、RLMウェブ管理ポータルのReread/Restart Servers(サーバの再読み込み/再起動)機能を利用すると、サーバにライセンスファイルを認識させることが可能です。
- コマンドラインからRLMを起動します。 先ほど見たように、RLM実行ファイルはRLM_Serverフォルダに格納されています。 そのディレクトリから実行ファイルを起動するには、コマンドを実行する必要があります。
例:
>cd C:\Program Files (x86)\RLM_Server_Win
>rlm重要:コマンドウィンドウは開いたままにしておかなければなりません。 コマンドウィンドウを閉じると、実行プロセスが遮断されます。これはサーバが停止することを意味します。 サービスとしてサーバを起動する方法については、後述のサービスとしてRLMを実行するをご覧ください。
- サーバの実行中は、下記に接続することで、ブラウザからReprise License Managerの管理ポータルへアクセスすることができます。
http://<IP address>:5054
<IP address>のところには、サーバを実行しているマシンのIPアドレスを入れます。 サーバを実行しているマシンからこのウェブポータルにアクセスするときは、下記が使用できます。
http://localhost:5054注:デフォルトでは、ISVポートがTCPポート5052に、RLMサーバポートがTCPポート5053に、管理ポータルポートがTCPポート5054に設定されています。 RLMが使用するデフォルトポートは、必要に応じて変更可能です。 手順については、RLMライセンス管理マニュアルをご確認ください。 - Eggplant Functionalで、メインメニューからEggplant > Licensesと選択してEggplantライセンスレジストリパネルにアクセスし、ライセンサホストの設定を行います。 RLMを実行しているマシンのホスト名またはIPアドレスを入力します。 この情報入力は、RLMサーバへのアクセスを必要とするすべてのEggplant Functionalのインスタンスにおいて必要です。 ただし、RLMと同じマシン上で実行されるEggplant Functionalインスタンスにおいては、この設定は必要ありません。
サービスとしてRLMを実行する
コマンドプロンプトからRLMを起動する場合(Windowsのcmd.exeであれ、Macのターミナルであれ)、サーバの実行状態を維持するにはコマンドウィンドウを開いたままにしておかなければなりません。 コマンドウィンドウを閉じると、実行プロセスが遮断され、サーバが停止してしまいます。
しかし、RLMのインストールと実行をサービスとして(Windows上)または起動デーモンとして(Mac上)行うことにより、コマンドウィンドウを開くことなくサーバを実行し、マシンの再起動時にはサーバが自動的に再起動されるようにすることができます。
Windows上:サービスとして
WindowsサービスとしてRLMをインストールおよび実行するときは、次のコマンドを実行してください。
rlm -install_service -dlog <server.log>
<server log>のところには、サーバログファイル作成先のフルパスを入れます。 含めることのできるオプションのパラメータや引数は他にもあります。 全詳細については、RLMライセンス管理マニュアルをご覧ください。
コマンドの実行後は、Windowsサービスマネージャーを通じてサービスの起動(または停止)を行うことができます。 デフォルトでは、システムの再起動時には自動的に再起動するよう設定されています。
Mac上:起動デーモンとして
Mac上でRLMを実行する場合、Macの再起動時に必ずRLMを起動デーモンとして再起動させる.plistファイルを作成することができます。 これ以外のやり方では、マシンの再起動時にサーバを手動で再起動する必要があります。
RLMサーバダウンロード内のRLM_Server_Macフォルダには、この.plistファイルのサンプルが含まれています。 以下は、そのファイルのテキストをコピーしたものです。
<?xml version="1.0" encoding="UTF-8"?>
<!DOCTYPE plist PUBLIC "-//Apple//DTD PLIST 1.0//EN" "http://www.apple.com/DTDs/PropertyList-1.0.dtd">
<plist version="1.0">
<dict>
<key>Label</key>
<string>com.testplant.rlm</string>
<key>ProgramArguments</key>
<array>
<string>/path/to/RLM_Server_Mac/rlm</string>
<string>-dlog</string> <string>/path/to/log/file/rlmlog.dlog</string>
</array>
<key>RunAtLoad</key>
<true/>
</dict>
</plist>
上記のファイルは、RLMサーバを保存した場所に応じて情報を変更する必要があります。 サンプル内のハイライト部分は、サンプル.plistファイル内において情報の更新が必要なコードを表します。 テキストエディタを用いて.plistファイルを更新し、保存してから閉じます。
.plistファイルは、Macの/Library/LaunchDaemonsにあるLaunchDaemonsフォルダに保存しなければなりません。 加えて、このファイルには、次のようなターミナルコマンドを用いたルートパーミッションの提供が必要になる場合もあります。
sudo chown root /Library/LaunchDaemons/com.testplant.rlm.plist
ライセンスサーバデーモンを起動するときは、次のようなコマンドを入力します。
sudo launchctl load -w /Library/LaunchDaemons/com.testplant.rlm.plist
これで、実行元のMacマシンが再起動したときに、サーバが自動的に再起動するようになります。
RLMにライセンスをインストールする
RLM用のライセンスファイルは、.lic拡張子のプレーンテキストファイルです。 使用するライセンスファイルは、通常、実行されているRLM実行ファイルと一緒にディレクトリに格納します。 例えば、Windowsのrlm.exeプログラムをRLM_Server_Winフォルダ内から実行している場合は、ライセンスをRLM_Server_Winフォルダに追加します。
必要に応じて、ライセンスの追加や削除を行います。 通常、ライセンスサーバは定期的にリフレッシュされます。このときに、何らかの変更があれば読み込まれ、新しいライセンス情報にアクセスできるようになります。 なお、RLMウェブ管理ポータルにあるサーバの再読み込み/再起動機能を使うと、強制リフレッシュを行うことができます。
ライセンスにパスワードを設定する
RLMライセンスにパスワードを追加するときは、下の例のように.licファイルに_passwordを加えます。 コマンドラインからRLMパスワードを使用する方法については、Runscriptコマンドオプションをご覧ください。
LICENSE testplant eggplantfunctional 1.0 03-aug-2019 5
customer=com.TestPlantTAM.L144 contract=51774 _ck=b9dafcc6c2 sig="c
2S25g2~WdQFekWVk8=JscyvDcA+DHcP~118m3UryY0TV3GCr2zoifiX1ktv9MqB" _password=somepassword
複数製品用のRLMを実行する
RLMライセンスサーバは、多くの製品でライセンスの供給や検証に使われています。 そのため、すでにRLMサーバが実行されている場合には、先ほどの手順に従って新しいサーバインスタンスを起動する必要はありません。 代わりに、実行中のサーバのディレクトリにEggplantのセットアップファイル(testplant.set)を追加します。
既存のRLMサーバを使ってEggplant Functionalを実行するときは、次の手順に従ってください。
- Eggplant FunctionalダウンロードページからEggplant RLMライセンスサーバをダウンロードします。 このダウンロードには、Eggplantのブランド名が付いたセットアップファイルが含まれますので、新しいRLMサーバを実行しなくてよい場合でもこの手順は必要です。
- サーバマシンの既存フォルダにセットアップファイル(testplant.set)をコピーします。 このファイルは、各プラットフォーム用のダウンロードフォルダ内にあります。
- 既存フォルダにチームライセンスファイル(.licファイル)をコピーします。 まだライセンスを生成していない場合は、Greenhouseでの生成方法を、Eggplant Functionalのチームライセンスを生成するにてご確認ください。
- RLMウェブ管理ポータルで、サーバの再読み込み/再起動機能を使ってサーバを再起動すると、Eggplant Functionalのセットアップ情報とライセンスが付加されます。
ライセンスのローミング
RLMには、ユーザがEggplant FunctionalライセンスをRLMサーバから各自のマシンにチェックアウトし、最長7日間にわたりRLMサーバへの再接続なしで利用できるようにするローミングオプションが用意されています。
ローミングの日数は、ライセンスパネルで設定します。 また、ライセンスサーバ上でもローミングの最大日数上限を設定することができます。 testplant.optファイル内で、下記を入力します。
ROAM_MAX_DAYS X eggplantfunctional
Xのところにローミング日数を入れます。
ライセンスサーバ上でローミングを無効にするときは、
ROAM_MAX_DAYS -1 eggplantfunctional
testplant.optファイル内で、上記を入力します。 ローミングは、ライセンスの発行時にライセンスごとに無効化することも可能です。